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消長法†
- 1太陽年などの数値は常に一定ではなく、時間とともに変化するという考え方を消長法といいます。
- 南宋の統天暦で初めて導入されました。
- 確かに時間とともに変化してはいきますが、その変動量はたいへん小さなものです。
- このため、過去の不正確な観測に無理やりあわせようとして、かえって精度を落とす結果になってしまいました。
- 貞享暦、宝暦暦:授時暦の消長法を採用。
- 歳周(平均太陽年の長さ)=365.2425−0.000002 × (西暦年−1281):100年で2/10000日ずつ減少します。
- 寛政暦:麻田剛立の消長法を採用。
- 25400年=歳差の周期で各定数が周期変動するとしています。
- 歳周(平均太陽年の長さ)=365.241622615342+0.00000043537 × (西暦年−133):寛政暦のころは微増するフェーズ。
- この式は消長法を説明 (p.50) 通りに数式化したもので、そこから先10年間の平均値を表します。
- 歳周はそれほど大きく変化する量ではありませんから、寛政暦では10年ごとに値を見直すこととし、その間は同じ平均値を用いていました。
- 数学的には5年後の歳周と等しくなりますので、その年における歳周という意味では 365.241622615342+0.00000043537 × (西暦年−5−133) のほうが適切です。
- 天保暦では廃止されました。
関連ページ†
Last-modified: 2021-07-30 (金) 15:54:41